PAINT COLUMN
当社の5プランで最上位にあたるのが、日本ペイントのハイブリッド無機系塗料「グランセラ」を使うプランです。「これを最後の塗り替えにしたい」という方に選ばれていますが、すべての家に無機が正解というわけではありません。何がいいのか、どこに注意が要るのか、いくらかかるのかを、現場の目線で書きます。
CONCLUSION FIRST
無機は「一番いい塗料」ですが、「全員にとって一番得な塗料」ではありません。
※ 上に当てはまらない多くのご家庭には、当社人気No.1のパーフェクトラジカル(48.8万円〜・期待耐用10〜15年)をおすすめしています。5プランの違いは塗料5プラン比較で解説しています。
HOW IT WORKS
結論から言えば、紫外線で分解される部分を減らした塗料だからです。
塗料が色あせたりチョーキング(触ると白い粉がつく状態)を起こすのは、塗膜をつないでいる樹脂が紫外線で切られていくからです。シリコンでもフッソでも、この樹脂は有機物、つまり炭素をつないだ鎖でできています。有機物である以上、紫外線に当たり続ければ必ず切れていきます。塗り替えのサイクルが8年、13年、15年と塗料のグレードで伸びるのは、この鎖の切れにくさの差だと考えてください。
いっぽうガラスや石といった無機物は、紫外線では劣化しません。神社の石段が何百年も残っているのと同じ理屈です。だったら塗料も全部無機にすればいい——そう思われるかもしれませんが、ここに落とし穴があります。
そこで登場するのが「ハイブリッド」です。紫外線に強い無機成分と、伸び縮みに追従できる有機樹脂を組み合わせ、「劣化しにくさ」と「割れにくさ」を両立させるという設計。日本ペイントがグランセラシリーズを「ハイブリッド無機系塗料」と呼んでいるのは、まさにこの構造を指しています。無機の耐候性を、住宅の壁に塗れる形に落とし込んだ塗料、という理解が一番近いはずです。
グランセラは日本ペイントが2024年に立ち上げた比較的新しいブランドで、ラインナップは用途で分かれています。
メーカーが挙げている特徴のうち、住んでいて体感しやすいのは次の3つです。ひとつはハイクラスな耐候性。従来のフッソ樹脂塗料を上回る耐候性が期待できる領域の塗料です。ふたつめが優れた親水化機能による超低汚染性。塗膜の表面が水と馴染むため、付着した汚れの下に雨水が入り込み、汚れを浮かせて流します。白や淡いグレーの外壁で「雨だれの黒い筋が目立つ」と気にされる方には、ここが一番効きます。みっつめが強力な防藻・防カビ性能を標準装備していること。北面や日の当たらない面の緑っぽい汚れに強いというのは、塩竈のように湿気のある土地では地味に大きい話です。
HONEST TALK
無機は硬い塗膜です。だから「どんな壁にでも最強」ではありません。
ハイブリッド化で柔軟性を持たせているとはいえ、同じシリーズの中で比べれば、無機成分が多い塗膜はシリコンより硬い方向に振れています。何を意味するかというと、下地の動きが大きい家では、塗膜そのものより先に下地のひび割れが表に出てくる可能性があるということです。とくにモルタル壁で細かいひび割れ(ヘアークラック)が全体に出ている家、既存の塗膜が浮いたり弱ったりしている家では、上に何を塗るかより、その下をどう処理するかで結果が決まります。
だから当社は現地調査で、外壁の材質、既存塗膜の状態、ひび割れの本数と幅、シーリングの残り寿命までを見ます。そのうえで、無機の硬さが下地と噛み合わないと判断したときは、正直に「この家ならパーフェクトラジカルのほうが向いています」とお伝えします。20年もつはずの塗料を、5年でひび割れが出る壁に塗って喜ばれることはありません。
これは全プランに共通する話ですが、上位塗料ほど誤解が生まれやすいので書いておきます。高圧洗浄が甘くて汚れの上に塗る、下塗りをメーカー指定と違うものにする、規定の膜厚が出ていない——こういう手抜きがあると、63.8万円の無機は10年もちません。逆に言えば、塗料代の差より、誰がどう塗るかの差のほうが結果に効きます。
当社の塗装は完全自社施工。下請けに投げません。3回塗り(下塗り・中塗り・上塗り)の工程を写真に残してお渡しし、見えなくなる部分を証明します。上位プランを選ぶ方にこそ、この記録を確認していただきたいと思っています。実際の施工内容は施工実績をご覧ください。
PRICE
すべて税込です。当社は総額をお見積りの最初に明示します。
| 項目 | 期待耐用 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| 外壁塗装 ハイブリッド無機 延床25坪・塗装本体価格 | 20年〜 | 63.8万円〜 |
| 足場仮設・高圧洗浄 25坪の目安・別途 | — | 合計約19万円 |
| 外壁の総額目安 上記2つの合計 | 20年〜 | 82.9万円〜 |
| 屋根塗装 ハイブリッド無機 70㎡・足場代別・高圧洗浄込み | 20年〜 | 37.9万円〜 |
※ 25坪は基準価格です。建物の大きさ・形状・劣化状況・立地により変動するため、正確な総額は無料診断でご提示します。※ 期待耐用年数は塗料メーカー公表値に基づく期待値で、保証年数とは異なります。他プランを含む全体像は料金プランをご覧ください。
IS IT WORTH IT
得かどうかを決めるのは塗料ではなく、その家に何年住むかです。
当社で最も安いシリコン樹脂プランは本体39.8万円〜(総額の目安58.9万円〜)、期待耐用8〜13年。ハイブリッド無機は本体63.8万円〜(総額の目安82.9万円〜)、期待耐用20年〜。総額の差は24万円です。
ここで考えていただきたいのは、塗り替えのたびに必ずかかる足場・高圧洗浄の約19万円です。塗料代がいくら安くても、足場は毎回組み直します。つまり24万円の差額は、ざっくり言えば「塗り替え1回分の足場代を先に払っておく」のに近い判断です。20年というスパンで並べると、こうなります。
そして金額に出てこないコストがあります。足場を組む2週間の生活の制約、洗濯物、近隣へのご挨拶、業者を選び直す手間。これを1回減らせることを、どう評価するか。いま50代で「あと20年はこの家」という方にとって、無機を選ぶことはこれを最後の足場にするという意味を持ちます。ここに価値を感じるかどうかが、判断の分かれ目です。
10年以内に売却や建て替えの可能性があるなら、先払いした24万円は回収できません。お子さんの独立で家の使い方が変わるかもしれない、二世帯化を検討している、そういう場合はシリコンやパーフェクトラジカルで10年しのぐほうが、率直に言って賢い選択です。
当社が現地調査で「あと何年この家に住まれる予定ですか」と伺うのは、この計算をご一緒にするためです。塗料を売るためではありません。
LOCAL
結論、塩害エリアでは上位プランの割安感が増します。
海からの風には塩分が含まれ、塗膜の劣化を早めます。加えて湿気で藻やカビも出やすい。この条件では、メーカー公表の期待耐用年数がそのまま出るとは限らず、内陸の同じ家より短くなるのが普通です。短くなるのはどのプランも同じですが、元の年数が長いプランほど、短縮された後に残る年数も長い——だから塩害エリアでは、上位プランのほうが1年あたりのコストで有利になりやすいのです。
グランセラが標準装備している防藻・防カビ性能と、雨で汚れを流す親水化機能も、この土地の条件と噛み合います。塩竈・多賀城・七ヶ浜のように海が近いご家庭から無機のお問い合わせが多いのは、この実感があるからだと思います。
ただし、ここでも診断が先です。塩害の受け方は同じ町内でも向きと距離で変わります。お住まいの面ごとの劣化を見て、必要な面だけグレードを上げる組み立てもご提案できます。
FAQ
外壁は延床25坪で塗装本体価格 税込63.8万円〜です。足場・高圧洗浄費は別途(25坪の目安 合計約19万円)となり、総額の目安は82.9万円〜。屋根塗装は70㎡あたり37.9万円〜(足場代別・高圧洗浄込み)です。お見積りでは総額を最初から明示します。目安をすぐ知りたい方はネット見積もりで、2つの質問に答えるとその場で概算が出ます。
期待耐用20年〜は塗料メーカー公表値に基づく期待値で、保証年数とは別のものです。海沿いの塩害、南面の強い日当たり、雨が当たらない面など、立地と環境で前後します。当社は現地調査で建物の条件を見たうえで、その家で何年が現実的かをお伝えしています。
無機成分の比率が高い塗膜は硬く、下地の動きに追従しにくいという性質があります。グランセラは有機樹脂と組み合わせたハイブリッド設計で柔軟性を確保していますが、それでもモルタル壁のひび割れが多い家や既存塗膜が弱っている家では下地処理の判断が重要です。無料診断で下地との相性を確認し、無機が向かないと判断した場合は正直にそうお伝えします。
その家に何年住むかで変わります。20年以上住む前提なら、差額24万円で塗り替え1回分(足場代を含む58.9万円〜)を先払いする形になり、計算上は得になり得ます。逆に10年以内に売却や建て替えの可能性があるなら、シリコンやパーフェクトラジカル(48.8万円〜・期待耐用10〜15年)のほうが合理的です。当社は住む年数を伺ってからおすすめを変えています。
NEXT STEP
診断・お見積りは無料です。「無機を検討中」とだけ言っていただければ、下地との相性も含めて正直にお答えします。その場での契約は不要、相見積もりも歓迎です。
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塗料は「住む年数」で選ぶのが正解です。迷ったら、まず5プランの比較からどうぞ。