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BLOG|付帯部塗装

付帯部塗装の費用と、
塗ってはいけない付帯部

軒天・破風・雨樋・水切り——外壁と屋根以外の細かい部分をまとめて「付帯部」と呼びます。費用の記事は多いのですが、「そもそも塗らないほうがいい付帯部がある」ことを書いた記事はほとんどありません。塗れば売上になる側が、塗らない話を書かないからです。塩ビ・アルミ・ステンレスの扱いを、メーカーと職人の言い分の両方を出して書きます。

PARTS

付帯部とは、この11か所

面積は小さいのに数が多く、見落とされやすい場所です。外壁塗装の総額の1〜2割を占めることもあります。

部位場所よくある材質傷みやすさ
軒天(のきてん)屋根の裏側の天井部分ケイカル板・合板・有孔ボード雨染み・剥がれが出やすい
破風板(はふいた)屋根の妻側(三角の斜辺)の板窯業系・木・板金雨風を直接受け、傷みが早い
鼻隠し屋根の軒先側(雨樋が付く面)窯業系・木・板金破風と同様
雨樋(あまどい)屋根の縁と、外壁を伝う縦管塩ビが大半・ガルバ紫外線で退色・割れ
幕板(まくいた)1階と2階の境の帯板窯業系・木上面に水が溜まりやすい
水切り基礎と外壁の境の金属板ガルバ・アルミ・ステンレス錆・跳ね返りの汚れ
庇(ひさし・霧除け)窓や玄関の上の小さな屋根板金・モルタル上面の錆・シーリング切れ
換気フード外壁に付く換気の出口金属・樹脂錆・汚れの筋
雨戸・戸袋窓の雨戸と収納部金属・アルミ錆・チョーキング
シャッターボックスシャッターの収納部金属錆・変形
基礎巾木基礎の立ち上がりモルタル汚れ・ひび

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軒天を塗る当社の職人。下から見上げないと状態が分からない場所です
軒天を塗る当社の職人。下から見上げないと状態が分からない場所です
付帯部は面積が小さく数が多いので、1か所ずつ手作業になります
付帯部は面積が小さく数が多いので、1か所ずつ手作業になります

WARNING

塗ってはいけない、塗る意味がない付帯部

ここがこの記事の本題です。付帯部には「塗らないほうがいいもの」「塗る必要がないもの」が実際にあります。けれど費用の記事でこれを書いたものはほとんどありません。理由は単純で、塗れば売上になるからです。

当社は塗装店ですが、塗って数年で剥がれるとお客様の信頼を失います。だから正直に書きます。

塩ビの雨樋——メーカーは「塗れる」、職人は「やめとけ」

日本の住宅の雨樋は、そのほとんどが塩化ビニル(塩ビ)製です。これを塗るかどうかで、業界の意見は割れています。

塗料メーカーの見解:日本ペイントは、塩ビ樋について「面粗しをして塗料の付着性を高め、溶剤拭きで清浄にすれば、溶剤形塗料を直接2回塗りして仕上げることが可能」としています。推奨塗料として挙げられているのは、ファインSi・ファインパーフェクトトップ・ファインフッソ・グランセラ2液ファインなどの弱溶剤形塗料です(当社のプランで使うグランセラも、この推奨リストに入っています)。

職人側の見解:一方で「塩ビは伸縮(線膨張)が大きいため塗膜が割れて剥がれる」「塩ビ樋は屋根や外壁より劣化が早く、3年ごとに塗り直しが必要になる」「塗ると継手やエルボの劣化を見逃す」「10年スパンで見れば交換のほうが安い」という反対意見があります。

当社の判断:劣化が軽く、色を揃えたいだけなら塗装します。ただし割れ・変形・継手のゆるみがある雨樋は、塗らずに交換をご提案します。塗装は修理ではありません。壊れたものを塗って隠すのは、お客様のためになりません。

アルミ・ステンレス——そもそも密着しにくい

アルミの表面には酸化被膜、ステンレスにはクロムの不動態被膜という膜があります。この膜が「錆びにくさ」の正体であり、同時に塗料の密着を妨げる原因でもあります。

密着プライマーを使えば塗れないことはありません。しかし下地処理を省けば数年で剥がれます。そして何より、錆びない素材をわざわざ塗る理由が乏しいのです。

アルミ製の雨戸・水切り・サッシまわりを「全部塗ります」と提案されたら、塗る理由を確認してください。「見た目を揃えたいから」なら納得の上でどうぞ。「そういうものだから」しか返ってこないなら、疑ってよい場面です。

有孔ボードの軒天——穴を塗り潰してはいけません

軒天に細かい穴がたくさん空いている家があります。あれは装飾ではなく小屋裏(屋根裏)の換気口です。塗料で穴を塞ぐと屋根裏の空気が流れなくなり、湿気がこもって下地を傷めます。

吹き付けで一気に仕上げようとすると起きがちな失敗です。当社は有孔ボードの軒天では、穴を潰さないよう塗り方を変えています。

破損している破風・軒天——塗る前に直す

割れている破風、雨染みで層が浮いている軒天。これらに塗装しても数か月で同じ状態に戻ります。下地が壊れているのに表面だけ塗るのは、工事ではなく先送りです。

張り替えや部分交換が必要な場合は、その旨をお伝えします。塗装だけで引き受けたほうが当社は楽ですが、それでは意味がありません。

部位・材質判定理由
窯業系の破風・幕板・軒天塗る塗膜で守らないと水を吸って傷みます
木部の破風・軒天塗る木は塗らないと確実に腐ります
鉄部(雨戸・庇・シャッターボックス)塗る錆止めを入れて塗るのが定石です
塩ビ雨樋(劣化が軽い)塗ってもよい下地処理をすれば可。色を揃える目的
塩ビ雨樋(割れ・変形あり)塗らない・交換塗装は修理ではありません
アルミ製(雨戸・水切り・サッシ)原則塗らない酸化被膜で密着しにくく、錆びない素材です
ステンレス製の水切り原則塗らない不動態被膜。そもそも錆びません
有孔ボードの軒天穴を潰さず塗る塞ぐと小屋裏の換気が止まります
割れ・欠けのある破風/軒天先に補修塗っても数か月で戻ります

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※ 塩ビ樋の塗装可否は、日本ペイントの技術情報および複数の施工業者の見解をもとに、2026年8月時点で当社が整理したものです。現物の劣化状態を見て個別に判断します。

PRICE

部位別の費用の目安

付帯部は単位がバラバラなのが厄介です。㎡・m(メートル)・箇所・枚が混在するため、単価だけを見ても比較できません。必ず数量とセットで確認してください。

部位単位一般的な単価30坪での数量の目安
軒天1,200〜1,800円20〜30㎡
破風板m900〜2,000円15〜25m
鼻隠しm900〜1,500円10〜20m
雨樋m700〜1,500円30〜45m
幕板m1,000〜1,500円10〜20m
水切りm600〜1,000円25〜35m
庇(霧除け)箇所2,000〜4,000円2〜5箇所
換気フード箇所1,500〜3,000円3〜6箇所
雨戸・戸袋2,000〜5,000円2〜8枚
シャッターボックス箇所2,000〜4,000円1〜3箇所

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※ 単価は複数の専門サイトが公表している範囲をもとにした目安です(2026年8月に当社が確認)。数量は延床30坪の一般的な戸建てを想定したもので、建物の形状で大きく変わります。実際のお見積りは現地を採寸してからお出しします。

30坪の家で、付帯部の合計はいくらか。 上の単価と数量から計算すると、おおむね5〜15万円です。外壁塗装の総額(当社なら30坪で約67万円〜)に対して、1〜2割を占めます。 「細かい部分だから」と軽く見られがちですが、金額としては無視できません。だからこそ「一式」で済ませず、内訳を見る意味があります。

ESTIMATE

「付帯部一式」と書かれていたら

見積書でいちばん多い問題がこれです。「付帯部塗装 一式 80,000円」——これでは、どこを塗るのか分かりません。

後から「軒天は含まれていません」「雨戸は別料金です」と言われても、書いていないので反論できません。他社との比較もできません。

質問は1つで足ります。「一式に、どの部位が含まれていますか」。部位名で答えられない業者は候補から外して構いません。

抜けやすい部位なぜ抜けるか
軒天下から見上げないと状態が分からず、見積り時に見落とされがち
雨戸・戸袋枚数が家ごとに違い、数え漏れが起きやすい
シャッターボックス「雨戸に含む」と解釈されて曖昧になりやすい
庇(霧除け)小さいので忘れられやすい
基礎巾木そもそも付帯部に入れない業者もいる

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「一式」表記が危ない理由——工程別の手抜き手口15選はこちら

MIYAGI

宮城では付帯部から傷みます

付帯部の記事は関東・関西の会社が書いたものがほとんどで、東北の気候に触れたものはまず見かけません。しかし宮城では、外壁より先に付帯部が傷むことが珍しくありません。

塩害——海に近い家は、金属の付帯部が最初に死にます

塩竈市・七ヶ浜町・多賀城市の沿岸部では、水切り・雨戸・戸袋・シャッターボックス・換気フード・面格子といった金属の付帯部が、外壁より先に錆びます。

外壁の色あせを気にして呼ばれて伺うと、実は水切りの錆のほうが深刻だった——これは実際によくあります。海に近いお宅は、まず金属部を見てください。

塩害で家がどう傷むか——塩竈・七ヶ浜の実物件写真つき解説はこちら

凍害——塗膜が切れた木部・窯業系は水を吸います

破風や幕板は上を向いた面があり、雨や雪が乗ります。塗膜が切れて水を吸うようになると、宮城の冬は0℃をまたぐ日が多いため、含んだ水が凍って膨らみ、内側から材を割っていきます。

凍害が進んだ破風は、塗ってもすぐ剥がれます。「まだ大丈夫」で1冬越すと、翌春には交換が必要になっていることがあります。

雪害——落雪で雨樋が変形します。火災保険が使えることも

屋根からの落雪で雨樋が変形・脱落する、軒天が割れる。これは宮城で毎冬起きています。

雪の重みや落雪による破損は、火災保険の雪災補償の対象になる可能性があります。経年劣化は対象外ですが、「今年の大雪で曲がった」なら申請の余地があります。被害直後の写真を残しておいてください(請求権には3年の期限があります)。

宮城で塗装するべき時期——仙台の月別気象データつき解説はこちら

TIMING

付帯部だけ後から塗ると、足場代がもう一度

軒天・破風・雨樋は、いずれも手の届かない高さにあります。つまり足場が必要です。

付帯部の工事そのものは5〜15万円。一方、足場は約16万円。付帯部だけを後から頼むと、工事費より足場代のほうが高くなります。

頼み方足場代工事費合計
付帯部だけを単独で約16万円5〜15万円21〜31万円
外壁塗装と同時に0円(外壁分に含む)5〜15万円5〜15万円
差額約16万円

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※ 当社の足場代の目安(税込)です。建物の形状・面積で変わります。

逆に言えば。 外壁塗装をするときに付帯部を一緒に塗らないと、次に足場を組むまで手が入りません。それは10年後です。 外壁だけきれいになって、破風と雨樋だけ古いまま——これは見た目にもはっきり分かります。同時にやるのが合理的です。

COLOR

付帯部の色の決め方

付帯部の色は、外観の印象を大きく左右します。定番は3パターンです。

  • 外壁と同系色でまとめる——いちばん失敗しません。全体が広く見えます。
  • 濃い色で引き締める——破風・雨樋・幕板を外壁より濃い色にすると、輪郭がはっきりして建物が締まって見えます。迷ったらこれが無難です。
  • サッシの色に合わせる——サッシは塗り替えられないので、そこに寄せると統一感が出ます。

軒天は白か明るい色が定番です。軒天は日が当たらず暗くなるため、濃い色にすると家全体が重く見えます。ただしグレーや黒であえて引き締める設計もあり、これは好みです。

失敗例としては、雨樋だけ目立つ色にしてしまうケース。雨樋は建物を縦横に走るので、目立たせると線が主張して落ち着きません。

FAQ

付帯部塗装についてよくある質問

付帯部とはどこのことですか?

外壁と屋根そのもの以外の、細かい部分をまとめてこう呼びます。具体的には軒天(軒裏の天井)・破風板・鼻隠し・雨樋・幕板・水切り・庇(霧除け)・換気フード・雨戸と戸袋・シャッターボックス・基礎巾木などです。面積は小さいのですが数が多く、外壁塗装の総額の1〜2割を占めることもあります。見積書で「付帯部一式」とだけ書かれていたら、どの部位が含まれているかを必ず確認してください。

塩ビの雨樋は塗装したほうがいいのですか?

意見が分かれる論点です。塗料メーカー(日本ペイント)は、面粗しと溶剤拭きで下地処理をすれば塩ビ樋に直接2回塗りで仕上げられるとしており、耐候性の高い塗料を推奨しています。一方で職人側には「塩ビは伸縮が大きいため塗膜が割れて剥がれやすく、3年ほどで再塗装が必要になる。10年で見れば交換したほうが安い」という反対意見があります。当社は、劣化が軽く外観を揃えたい場合は塗装、割れや変形・継手の劣化がある場合は交換をご提案しています。塗って隠すべきではない状態が実際にあるためです。

アルミやステンレスの部分は塗れますか?

塗りにくい素材です。アルミは表面に酸化被膜、ステンレスはクロムの不動態被膜があり、これが塗料の密着を妨げます。密着プライマーを使えば塗れないことはありませんが、下地処理を省くと数年で剥がれます。そもそもアルミもステンレスも錆びにくい素材なので、劣化していないなら塗る必要がありません。アルミ製の雨戸・水切り・サッシまわりを「全部塗ります」と言われたら、塗る理由を確認してください。

付帯部塗装の費用はいくらですか?

部位ごとに単価が違います。一般的な目安は、軒天1,200〜1,800円/㎡、破風板900〜2,000円/m、雨樋700〜1,500円/m、水切り600〜1,000円/m、換気フード1,500〜3,000円/箇所です。30坪の住宅で付帯部の合計は5〜15万円程度が目安になります。ただし単位が㎡・m・箇所と混在するため、単価だけでは比較できません。数量まで書かれた見積書で確認してください。

付帯部だけ後から塗ってもらえますか?

できますが、費用対効果は良くありません。軒天・破風・雨樋はいずれも高所にあるため足場が必要で、足場代は約16万円かかります。付帯部の工事そのものが5〜15万円であることを考えると、足場代のほうが高くなります。外壁塗装と同時に行えば足場は1回分で済むため、同時施工を強くおすすめします。

見積書に「付帯部一式」と書かれていました。大丈夫ですか?

部位名・単価・数量が書かれていない見積書は、他社と比較できず、後から「それは含まれていません」と言われる余地を残します。とくに抜けやすいのが、軒天・雨戸と戸袋・シャッターボックス・庇・基礎巾木です。「一式に何が含まれていますか」と質問して、部位名で答えられない業者は候補から外して構いません。

OUR ANSWER

塗る場所も、塗らない場所もお伝えします

現地で付帯部を1か所ずつ確認し、部位名・単価・数量を書いたお見積りをお出しします。「これは塗らないほうがいい」「これは交換したほうがいい」という判断も、その場でお伝えします。診断・お見積りは無料です。

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