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BLOG|雨漏り

ベランダの雨漏りは、
「床」ではなく「笠木」から疑う

「床の防水はきれいなのに、下の部屋の天井にシミが出る」——これがいちばん多い相談です。原因は床ではなく、手すり壁の上に被せてある笠木(かさぎ)であることが少なくありません。宮城の凍害・雪解け・塩害まで含めて、塗装店の立場から原因と費用を実額で書きます。

CONCLUSION

まずどこを見るか

笠木の継ぎ目やビス穴から入った水が下地の木部を伝い、下の階の天井にシミとして出るまでの経路図
床の防水がきれいでも、笠木から入った水は下地を伝って下の階へ回ります

ベランダからの雨漏りで、多くの方が最初に見るのはです。そして「ひび割れもないし、きれいだから大丈夫」と判断してしまいます。

しかし雨水は、床以外からも入ります。とくに見落とされやすいのが笠木——ベランダの手すり壁(腰壁)の上に被せてある、金属やモルタルの部材です。

笠木は上を向いているので雨をまともに受けます。そしてほとんど勾配がついていないため水が溜まりやすく、継ぎ目やビス穴から内部へ入ります。笠木の下は木の下地であることが多く、そこが濡れれば、下の階の天井にシミが出ます。

つまり床がきれいでも、雨漏りはします。

症状疑うべき場所理由
床はきれいなのに天井にシミ笠木・立ち上がり床以外の経路から入っています
床にひび・膨れ・剥がれがある防水層いちばん分かりやすい原因です
雨のあと床に水が残る排水口(ドレン)・勾配抜けない水は必ずどこかから入ります
壁との境目に黒ずみ・隙間立ち上がりのシーリング動きが出る部分なので切れやすい
掃き出し窓の下枠まわりが変色サッシまわり公的統計では最も多い浸入箇所です
強風の日だけ漏れる笠木・外壁との取り合い吹き上げで横から入る経路があります
雨がやんでしばらくして漏れる内部で溜まってから流れている浸入口と漏れる場所が離れています

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実際のベランダ。手すり壁の上に被せてあるのが笠木です
実際のベランダ。手すり壁の上に被せてあるのが笠木です
防水をやり直したベランダ。排水口まわりは詰まりやすい場所です
防水をやり直したベランダ。排水口まわりは詰まりやすい場所です
公的なデータでも、床は主犯ではありません。 住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)が公開している雨水の浸入箇所の集計では、外壁の開口部まわり(サッシ等)が29.6%、外壁面が26.2%、勾配屋根・天窓が20.2%となっています(木造戸建て・約15,000件・2009〜2023年)。 「ベランダの床」だけを見ていては、原因の大半を見逃すということです。

※ 出典:住まいるダイヤル「雨漏りの発生部位」(2026年8月に当社が確認)。

CAUSE

雨漏りの原因、6つ

ベランダからの雨漏りで実際に多い経路を、多い順に並べます。

  • 笠木——手すり壁の上の部材。継ぎ目・固定ビスの穴・笠木の裏の防水紙の劣化から入ります。床がきれいなのに漏れる場合はまずここ。
  • 防水層のひび・膨れ・剥がれ——床面の目に見える劣化。分かりやすい代わりに、これが原因でないケースも多い。
  • 排水口(ドレン)の詰まり——落ち葉・砂・苔が詰まり、水が抜けずに溜まります。溜まった水は必ずどこかから入ります。
  • 立ち上がり部分のシーリング切れ——床と壁の境目。建物の動きが集中するので切れやすい。
  • サッシまわりのシーリング切れ——掃き出し窓の周囲。公的統計では単独では最多の浸入箇所です。
  • 施工不良——勾配が足りない、防水の立ち上がりが不足している、など。新築から数年で漏れる場合はこれを疑います。

厄介なのは、浸入口と、水が出てくる場所は一致しないことです。笠木から入った水が下地を伝って離れた場所に出る、というのは普通に起きます。だから「シミの真上」を直しても止まらないことがあります。

MIYAGI

宮城で多い3つの壊れ方

雨漏りの記事はたくさんありますが、そのほとんどは関東や関西の会社が書いたものです。宮城には別の事情があります。

1. 凍害——ひびが毎年少しずつ広がります

防水層に細かなひびが入ると、そこに水が入ります。宮城は0℃をまたぐ日が多く、その水が凍って膨張し、内側からひびを押し広げます。融けてまた凍る。この繰り返しが、関東より劣化を早めます。

「去年は気にならなかったひびが、今年は明らかに広がっている」というのは凍害の典型です。宮城では、小さなひびを冬前に埋めておくことに、他県より大きな意味があります。

2. 雪解け——排水口が詰まったまま凍ります

冬の間にベランダへ吹き込んだ落ち葉や砂が、雪解け水と一緒に排水口へ流れ込んで詰まります。水が抜けずに溜まり、夜にまた凍る。氷は膨らむので、防水層の継ぎ目を少しずつこじ開けていきます。

対策は簡単で、冬前と雪解け後の年2回、排水口を掃除するだけです。5分の作業で数万円の工事を先送りできます。

3. 塩害——笠木の金属とビスが先に錆びます

塩竈市・七ヶ浜町・多賀城市の沿岸部では、防水層より先に金属部が傷みます。笠木の金属板、固定しているビス、手すりの支柱の根元。ここが錆びて穴が開けば、そこから水が入ります。

海に近いお宅は、床のひびよりも金属部の錆を先に見てください。錆が浮いている、ビスの頭が茶色い、というのは危険信号です。

塩害で家がどう傷むか——塩竈・七ヶ浜の実物件写真つき解説はこちら

CEILING

天井にシミが出たら、もう内部は濡れています

ベランダの下の部屋の天井にシミが見えた時点で、水は下地の木部まで到達しています。表面に出るまでに時間がかかるので、見えたときにはすでに進行しているということです。

ただし、天井のシミが必ずしも雨漏りとは限りません。見分け方を挙げます。

シミの様子考えられる原因確認すること
雨のあとに濃くなる・輪郭が茶色い雨漏りベランダ・笠木・外壁の状態
雨と関係なく広がる給排水管の漏水上階の水回りの位置
冬だけ・窓際に集中する結露室内の湿度・換気
点々と黒い・カビ臭い結露+カビ断熱の状態
天井材が垂れ下がってきた雨漏り(進行)すぐに調査が必要です

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放置すると何が起きるか。 下地の木材が濡れ続けると腐り、断熱材が水を含み、やがてシロアリが寄ってきます。 ベランダ防水のやり直し(8〜15万円)で済んだものが、下地の交換を伴う工事(数十万円)になります。 シミが小さいうちに見てもらうのが、いちばん安上がりです。

INVESTIGATION

原因はどう特定するか

雨漏りは「怪しい場所を全部直す」とお金がいくらあっても足りません。原因を特定してから直すのが原則です。

調査方法内容費用の目安使う場面
目視調査ベランダに上がり、笠木・防水層・ドレン・シーリングを写真に撮って確認当社は無料まずこれ。多くはここで当たりがつきます
散水調査疑わしい箇所に下から順に水をかけ、室内に出るまでを確認5〜15万円目視で特定できない場合
発光液調査着色した液を流して経路を追う15〜25万円経路が複雑な場合
赤外線サーモ調査温度差から水の広がりを見る20〜35万円壁の内部を壊さず調べたい場合

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※ 散水調査以下の金額は複数の専門業者が公表している一般的な目安です(2026年8月に当社が確認)。当社は目視調査を無料で行い、それで特定できない場合に専門調査をご提案します。

散水調査は、時間をかけるほど正確です。 正しい散水調査はいちばん下の疑わしい箇所から順に、1箇所ずつ20〜30分かけて水をかけます。上から一気に水をかけると、どこから入ったのか分からなくなるためです。半日仕事になります。 逆に、ベランダに上がりもせず「たぶんここですね」と言い切る業者は候補から外して構いません。

FIRST AID

今日できることと、やってはいけないこと

できること

  • 排水口の落ち葉・砂を取り除く(これだけで止まることがあります)
  • 漏れている場所の下に容器を置き、床を養生する
  • 雨の日に、どこから・どのくらい漏れるかを写真と動画で記録する(調査と保険申請に効きます)
  • ベランダに物を置いている場合はどかす(水の逃げ道を塞いでいることがあります)

やってはいけないこと

  • 怪しい隙間をシーリングで塞ぐ——これが最も多い失敗です。入った水の逃げ道まで塞いでしまい、内部に溜まって被害が広がります。
  • 市販の防水塗料を床に塗る——今の防水層と相性が合わないと、上から塗った膜が水を閉じ込めて膨れます。
  • 屋根やベランダの手すりに登って自分で確認する——毎年、点検中の転落事故が起きています。

COST

修理の費用と、足場という本当の問題

修理費用は原因と範囲で変わります。まず一般的な目安です。

工事一般的な費用の目安当社
トップコートの塗り直し3〜6万円外壁塗装と同時なら3万円台〜
防水層からやり直し8〜15万円5.9万円〜(5㎡・同時施工)
笠木の補修・交換5〜15万円要調査
部分補修2〜15万円要調査
下地の腐食を伴う修繕8〜25万円要調査
足場(単独工事の場合)15〜25万円約16万円

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※ 一般的な費用は複数の専門サイトの公表値の範囲です(2026年8月に当社が確認)。当社の金額は税込・外壁塗装と同時施工の場合で、足場代を含みません。範囲・下地の状態により変わります。

ここがいちばん大事な話です。 ベランダの工事そのものは5〜15万円。ところが足場は15〜25万円かかります。つまり単独で頼むと、工事費より足場代のほうが高くなります。 外壁塗装のときに一緒にやれば、足場は1回分で済みます。雨漏りしていて緊急なら先に直すべきですが、そうでなければ外壁塗装のタイミングに合わせるのが圧倒的に得です。 この話を書かない記事が多いのは、防水専門の業者や一括見積もりサイトが外壁塗装を売っていないからです。

INSURANCE

火災保険が使えるケース

雨漏りの修理に火災保険が使えることがあります。ただし条件があります。

原因保険補足
台風・強風で笠木が飛んだ・浮いた使える可能性風災。被害直後の写真が重要です
雪の重みで手すり・笠木が変形した使える可能性雪災。宮城では該当することがあります
雹(ひょう)で破損した使える可能性雹災
経年劣化によるひび・防水層の寿命対象外これが最も多いケースです
施工不良対象外施工した業者へ相談する話になります

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※ 保険法上、請求権には3年の期限があります。適用の可否を決めるのは保険会社であり、当社が保証するものではありません。ご契約内容をご確認ください。

注意していただきたいこと。 「火災保険を使えば実質無料で直せます」と言って契約を急がせる業者がいます。保険が下りるかどうかを決めるのは保険会社であって、工事業者ではありません。 申請の代行に高額な手数料を取るケース、保険が下りなかったのに工事契約だけ残るケースが実際に起きています。断定する業者には注意してください。 訪問販売の断り方とクーリングオフの手順はこちら

FAQ

ベランダの雨漏りについてよくある質問

ベランダの床はきれいなのに雨漏りします。原因は何ですか?

笠木(手すり壁の上に被せてある部材)を疑ってください。床の防水層がきれいでも、笠木のジョイント部分・固定ビスの穴・笠木の裏に入っている防水紙の劣化から水が入るケースが多くあります。笠木の下は木の下地であることが多く、そこが濡れると室内側の天井にシミが出ます。床だけを見て「防水はきれいだから原因ではない」と判断する業者は、この経路を見落としています。

ベランダの下の部屋の天井にシミが出ました。すぐ直すべきですか?

はい、その時点で内部の木部はすでに濡れています。天井にシミが見えるということは、防水層や笠木から入った水が下地を通って室内側まで到達しているということです。放置すると下地の腐食が進み、塗装や部分補修(数万円〜十数万円)で済んだものが、下地の交換を伴う工事(数十万円)になります。まずは無料の現地調査で、どこから入っているかを特定してください。

ベランダの雨漏り修理はいくらかかりますか?

原因と範囲によります。トップコートの塗り直しで済む段階なら3〜6万円、防水層からやり直す場合は8〜15万円、笠木の補修・交換は5〜15万円が一般的な目安です(いずれも足場代を含みません)。当社のベランダ防水は5.9万円〜(5㎡・税込・外壁塗装と同時の場合)です。単独工事では足場代 約16万円が別途かかるため、工事費より足場代のほうが高くなります。

雨漏りの原因はどうやって特定するのですか?

目視調査で当たりをつけ、必要に応じて散水調査を行います。散水調査は疑わしい箇所に下から順番に水をかけ、室内側に水が出るまでの時間と場所を確認する方法です。1箇所あたり20〜30分かけるため半日程度かかります。費用は目視なら無料〜数万円、散水調査は5〜15万円が一般的な相場です。逆に、屋根やベランダに上がりもせず「見ればわかる」と言い切る業者には注意してください。

ベランダの雨漏りに火災保険は使えますか?

原因が風災・雪災・雹災(ひょうさい)なら使える可能性があります。台風で笠木が飛んだ、雪の重みで手すりが変形した、といったケースです。一方、経年劣化による防水層のひび割れは対象外です。申請には期限(保険法上は3年)があり、被害直後の写真が重要になります。なお「保険で無料になります」と断言して契約を急がせる業者には注意してください。保険が下りるかどうかを決めるのは保険会社です。

宮城でベランダの雨漏りが多いのはなぜですか?

3つの要因があります。①凍害——防水層のひびに入った水が凍って膨張し、内側からひびを広げます。宮城は0℃をまたぐ日が多く、この凍結融解が関東より劣化を早めます。②雪解け時の排水口の詰まり——落ち葉や砂が残雪と一緒にドレンへ流れ込み、水が抜けずに溜まったまま凍ります。③塩害——塩竈・七ヶ浜・多賀城の沿岸部では、笠木の金属部やビスが錆びて穴が開き、そこから水が入ります。

OUR ANSWER

まず、どこから入っているかを見に行きます

ベランダに上がって笠木・防水層・排水口・シーリングを写真に撮り、原因の見当をお伝えします。調査とお見積りは無料、その場での契約もお願いしません。「たぶんここ」で工事を始めることはしません。

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