BLOG|屋根カバー工法
当社はカバー工法を行っていません。だから、売り込みなしで書けます。費用の相場、できない屋根の条件、塗装との損得、そして宮城で見落とされがちな塩害と落雪まで——「うちに頼んでください」と言えない立場から、判断材料だけをお渡しします。
PRICE
カバー工法(重ね葺き)は、既存の屋根を撤去せずに、上から新しい屋根材をかぶせる工法です。撤去費と処分費がかからないぶん、葺き替えより安く済みます。
当社は施工していないため、以下は他社が公開しているデータの引用です。
| 調査元 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| ヌリカエ(見積もり2,655件) | 100〜150万円が中心 | 一括見積もりサイトの集計 |
| リショップナビ | 平均約120万円(60〜250万円) | ㎡単価 8,000〜10,000円 |
| テイガク屋根修理(公開見積書) | 108.8万円/123.0万円 | 80㎡のモデルケース |
| 複数の業者サイトの平均的な記載 | ㎡単価 7,000〜13,000円 | 30坪で80〜150万円 |
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※ 2026年8月に当社が確認した各社の公表値です。当社はカバー工法を施工していないため、金額を保証するものではありません。実際の金額は屋根の面積・形状・使用する屋根材で変わります。
COMPARE
| 比較項目 | 塗装 | カバー工法 | 葺き替え |
|---|---|---|---|
| 総額(30坪前後) | 35.9万円〜 | 80〜150万円 | 120〜200万円 |
| ㎡単価 | 3,000〜6,000円 | 7,000〜13,000円 | 10,000〜18,000円 |
| 工期 | 5〜10日 | 7〜14日 | 10〜20日 |
| 次のメンテまで | 8〜20年 | 25〜30年 | 30年〜 |
| 屋根の重さ | 変わらない | 増える | 軽くできる |
| 下地(野地板)の補修 | できない | できない | できる |
| アスベストの処分費 | かからない | かからない | かかる |
| 断熱・遮音 | 変わらない | やや向上 | 仕様次第 |
| 向いている状態 | 屋根材が健全 | 屋根材は傷み・下地は健全 | 下地まで傷み・雨漏り |
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※ 塗装欄は当社の屋根塗装の総額目安(70㎡・税込・足場約16万円込み)。カバー工法・葺き替えは前掲の公表データによる目安です。
NG
「安いからカバー工法で」と決める前に、そもそもできる屋根かどうかを確認してください。
| 条件 | 可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 和瓦・洋瓦の屋根 | できません | 形状的に上から重ねられません |
| 下地(野地板)が腐っている | できません | 腐った下地に釘を打つことになります |
| すでにカバー工法をしている | できません | 三重にはできません |
| 雨漏りが下地まで達している | できません | 原因を直さず蓋をすることになります |
| 瓦棒屋根で心木が腐っている | できません | 同上 |
| 耐震性を優先したい | 要検討 | 屋根が重くなります(下の表を参照) |
| スレート屋根で下地が健全 | できます | 最も一般的なケースです |
| 金属屋根(トタン等)で腐食が軽い | できる場合あり | 下地と固定部の状態次第です |
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WEIGHT
カバー工法は既存の屋根を残します。つまりその分だけ確実に重くなります。屋根が重いほど、地震のときに建物が大きく揺さぶられます。
| 屋根の状態 | 重さ(1㎡あたり) | 備考 |
|---|---|---|
| 和瓦(日本瓦) | 約50〜70kg | もっとも重い |
| スレート(カバー前) | 約20kg | もっとも普及している屋根材 |
| スレート+ガルバリウム(カバー後) | 約25〜27kg | 既存を残すぶん重くなります |
| ガルバリウム単体(葺き替え後) | 約5〜7kg | 撤去すれば大幅に軽くなります |
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※ 各社の公表値をもとにした一般的な目安です。製品・下地の構成で変わります。
ASBESTOS
2004年に住宅屋根用化粧スレートなど建材10品目でアスベスト(1重量%超)の使用が禁止され、2006年に0.1重量%超が原則禁止、2012年に猶予措置が撤廃されて全面禁止となりました。それ以前に建てられた家のスレート屋根は、アスベストを含む可能性があります。
アスベストを含む屋根を葺き替える場合、既存屋根を撤去するため、専門の処分が必要になります。撤去・処分の費用は1.8〜2.3万円/㎡が目安とされ、屋根が80㎡なら150〜180万円が上乗せされる計算です。
一方カバー工法なら撤去しないので、この費用がかかりません。アスベストを含む屋根でカバー工法が選ばれやすいのは、この理由です。
ただし——アスベストを含む屋根材は、それ自体が寿命を迎えている場合があります。下地が健全ならカバー工法は合理的ですが、下地まで傷んでいれば結局は葺き替えになります。
MIYAGI
カバー工法の記事はほとんどが関東・関西の会社が書いたものです。宮城には別の判断材料があります。
カバー工法で使われるのは主にガルバリウム鋼板、つまり金属です。塩分は金属の錆を加速させます。
一般に海岸から200〜500m程度の範囲は塩分の影響が強く、この範囲では通常のガルバリウム鋼板を避けるか、より耐食性を高めたSGL鋼板を選ぶ、という判断があります。
塩竈市・七ヶ浜町・多賀城市の沿岸部にお住まいの方は、カバー工法を提案されたら使う金属板の種類と、ご自宅から海までの距離をセットで確認してください。全国向けの記事に、この視点はまず書かれていません。
金属屋根は表面が滑らかなので、雪が滑り落ちやすくなります。今まで屋根に留まっていた雪が、カバー工法のあと一気に落ちるようになった、というのは実際に起きます。
玄関の上・駐車場の上・隣家との境界に雪が落ちる位置関係なら、雪止めの設置を必ず検討してください。
ポイントは「先付け」か「後付け」かです。横葺きの金属屋根には、屋根材と同じ素材で先に取り付ける専用の雪止めがあります。一方、後から付ける金具は屋根材に穴を開けることになり、そこから錆びて屋根本体を傷めることがあります。見積書に雪止めの記載があるか、先付けかどうかを確認してください。
HONEST
ここまでカバー工法の説明をしてきましたが、最後に立場を明かした上で書きます。
当社は塗装専門店です。カバー工法も葺き替えも行っていません。だからカバー工法を勧めても1円にもなりませんし、逆に無理に塗装へ誘導すれば数年でクレームになります。
その前提で申し上げると——塗装で足りる屋根に、カバー工法を提案されているケースは実際にあります。見分け方は単純です。
逆に、屋根材が広範囲で割れている家に塗装を提案する業者も、同じくらい危ないです。塗ったところで屋根材の寿命は延びません。当社はそういう屋根の工事はお引き受けせず、その旨をお伝えします。
CHECK
| 確認すること | なぜ |
|---|---|
| 「屋根工事 一式」になっていないか | 項目・単価・数量がなければ比較できません |
| 使う屋根材の商品名 | ガルバリウムかSGLかで耐食性が変わります |
| ルーフィング(防水シート)の種類 | 屋根の防水性能はここで決まります。省けません |
| 雪止めの有無と、先付けか後付けか | 宮城では必須の確認項目です |
| 棟板金・貫板の仕様 | 樹脂製の貫板なら腐りません |
| 足場代 | 屋根工事には必ず必要です。「無料」なら他に乗っています |
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FAQ
30坪前後の住宅で80〜150万円が中心価格帯です。㎡単価では7,000〜13,000円が目安になります。一括見積もりサイトの公開データでは平均約120万円、レンジは60〜250万円とされています。既存の屋根を撤去しないため、葺き替え(120〜200万円)より安く、工期も短く済みます。ただし当社は塗装専門店でカバー工法は行っていないため、この金額は他社の公表データの引用です。
屋根材そのものが健全かどうかで決まります。色あせ・コケ・塗膜の劣化だけなら塗装(総額35.9万円〜)で守れます。屋根材が広範囲で割れ・反り・欠けを起こしているなら、塗ってももちません。判断材料は簡単で、屋根に上がって撮った写真に実際の割れが写っているかどうかです。写真を見せずに「危ないですよ」とだけ言う業者は候補から外して構いません。
あります。和瓦・洋瓦などの瓦屋根(形状的に重ねられません)、下地の野地板が腐っている屋根、すでに一度カバー工法をしている屋根、雨漏りが下地まで達している屋根、瓦棒屋根で心木が腐っているもの。また屋根が重くなるため、耐震性を優先する場合も葺き替えを検討する必要があります。
既存のスレート屋根が約20kg/㎡、上に重ねるガルバリウム鋼板が約5〜7kg/㎡なので、合計で約25〜27kg/㎡になります。和瓦(50〜70kg/㎡)よりはずっと軽いものの、既存屋根を残すぶん確実に重くなります。屋根が重いほど地震時に建物が揺さぶられるため、耐震性を重視するなら既存屋根を撤去する葺き替えのほうが有利です。
2つあります。①塩害——カバー工法で使うのは主にガルバリウム鋼板、つまり金属です。海岸から200〜500m程度の範囲では塩分で錆が進むため、より耐食性の高いSGL鋼板を選ぶか金属以外を検討する判断があります。塩竈・七ヶ浜・多賀城の沿岸部では特に確認してください。②落雪——金属屋根は表面が滑らかで雪が滑り落ちやすくなります。雪止めを先付けできる製品を選び、見積書に雪止めの記載があるか確認してください。
できます。むしろアスベストを含む屋根では、カバー工法が選ばれやすい傾向があります。葺き替えでは既存屋根を撤去するため、アスベストの除去・処分費(1.8〜2.3万円/㎡が目安)が上乗せされるためです。カバー工法なら撤去しないのでこの費用がかかりません。2004年以前に建てられた家でスレート屋根の場合は、アスベストを含む可能性があります。
OUR ANSWER
当社は塗装専門店です。屋根に上がって写真を撮り、塗装で守れる状態かどうかを正直にお伝えします。カバー工法や葺き替えが正解の場合は、そう申し上げます。無理に塗装をお勧めすることはありません。診断・お見積りは無料です。
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